4代目が目指すテーラー

大阪・中央区島之内「テーラーキスモト」

 銀行マンを約3年経験した後、4代目を継ぐべく業界に入って3年になる紀州本佳照氏(30、写真)。大正14年大阪千日前で創業し、昭和9年現在の島之内へ移転、84年になる。銀行からテーラーへの転身、30歳の若さで、今後の商売をどう乗り切っていくのか、心のうちを語ってもらった。

 「基本的には店舗販売で、多くは代々の顧客によって支えられている。洋服はシンプルですが、正直、誠実に作っている。これがキスモトであり、これからもこの姿勢を守っていく。丈夫で長持ちする洋服をという方が少なくない。ビンテージの生地、お客様が望むように仕立てる。無理に高いものを売らない。それがうちの洋服です。ホームページにおいても、オーソドックスな内容となっているので、雑誌等の影響で、難しい注文の方はほとんどない。シンプルで着やすい洋服のほうが、かえって神経を使うのでは」。

 「親子、仲良くというケースは少ないようですが、うまくやっていくコツは趣味(電車)が同じだからでしょうか。わからないところはちゃんと教えてくれるので、今後もこの調子でやっていけると思います。抱負ですか。テーラーとして、作ることを楽しむ、この気持ちで取り組んで行きたい」。

3代目現社長・紀州本佳英氏